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知りたかった。
伝えたかった。
忘れたかった。
信じたかった。

吉沢亮 吉岡里帆 若山詩音 / 松平健 落合福嗣 大地葉 種𥔎敦美 主題歌:あいみょん(unBORDE/Warner Music Japan) 監督:長井龍雪 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』 脚本:岡田麿里 キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀 音楽:横山 克

『あの花』『ここさけ』長井龍雪監督 最新作。過去と現在をつなぐ、切なくてちょっと不思議な“二度目の初恋”物語。

©2019 SORAAO PROJECT

原作:超平和バスターズ 製作:岩上敦宏 宇津井隆 市川 南 古澤佳寛 井上伸一郎 企画・プロデュース:清水博之 川村元気 斎藤俊輔 プロデューサー:小田桐成美 尾崎紀子 共同プロデューサー:日高 峻 演出:黒木美幸 美術監督:中村 隆 色彩設計:中島和子 セットデザイン:川妻智美 撮影・CG監督:森山博幸 編集:西山 茂 音響監督:明田川仁 アニメーションプロデューサー:賀部匠美 制作統括:岩田幹宏 制作:CloverWorks 宣伝プロデューサー:鎌田亮介 配給:東宝 製作:アニプレックス フジテレビジョン 東宝 STORY KADOKAWA

『空の青さを知る人よ』関連場所訪問(聖地巡礼)についてのお願い


いつも作品を応援頂き誠にありがとうございます。

『空の青さを知る人よ』公開後、本編中に登場する、または関連のある場所へ、
ファンの皆様にお越し頂いております。

劇中舞台においては、一部私有地も含まれており、関連場所への訪問を予定されている皆様におかれましては、
私有地への立ち入りはご遠慮頂きますようお願い申し上げます。

また、私有地以外の劇中舞台においても近隣住民の方々への配慮、
及び節度のある行動を十分心掛けて頂ければ幸いです。

引き続き、本作を宜しくお願い申し上げます。


「空の青さを知る人よ」スタッフ一同
長井 『ここさけ』の作業が終わるころ、この座組でもう1本作らせてもらえることになって。秩父を舞台にもういちど何かやろうという話が、わりと早いうちに出ていたんです。

岡田 今回は私たち3人だけじゃなくて、みんなでアイデアを出し合うかたちで作ったんですよ。プロデューサーや制作会社の人たちからも意見を募って。監督からは「空を飛ぶアニメが作りたい」という要望があったので、そこに向かって話を作っていきました。

長井 最初に軸となるキャラクターとして決まったのは、あおいですね。まず「ベースを持った女の子」というイメージを僕のほうから提案したんです。

岡田 そのころ、監督が「ベースの魅力について語る」みたいなテレビ番組を観たらしく、「ベースっていいよね」という話題になって。そこから、あおいのキャラクターが生まれていきました。田中さんが描いたイメージ画もすごくよかったんですよ。

田中 あおいの人物像はかなり初期段階でスパッと決まりましたね。そもそもは「地元のお祭りをフィーチャーできないか?」みたいなアイデアがあり、祭りに関わるいろいろな立場の人たちの群像劇と、祭りが本番を迎えるまでの過程をドラマの背景にしたら面白いんじゃない? みたいな話が出て。それで秩父をひたすら車で走り回って、材料を探してさまよっていた時期があったんです。

岡田 そうそう。ローカルな祭りを探して資料館に行ったり、山奥まで行ったり、ついでにダムを見に行ったり(笑)。

長井 結果的に、その要素は秩父音楽フェスティバルとして残っています。

田中 その過程で、いろんな神社仏閣も見てまわって、メインの舞台になるお堂はそのとき見つけたんです。そのお堂の前で、ベースを抱えた女の子が仁王立ちしていたら、かっこいい絵面になるなと。で、その絵をバッとラフで描いたんです。そのときに彼女の意志の強さを表すパーツとして、眉を太く描いて。それがすごくハマったんです。

岡田 私も「これしかないな」と思いました。

長井 そこで、あおいのキャラクターが決まって。僕は最初、彼女が「秩父から出る」話にしたいと思ってたんだけど、みんなで話しているうちに変わっていった。

田中 さんざん秩父の世話になっておいて否定するのもどうなんだ、と(笑)。

長井 それまでは地元といえば出るものという考え方だったけど、最近は「地元っていいよね」という価値観も一般的になりつつあるし、「地元がイヤで出て行く」みたいな話にはしたくないよね、と。そこで地元を肯定する存在として、あかねというキャラクターが出てきた。最初は、あおいとの対比的な存在として生まれた人物なんだけど、それをだんだんと膨らませていったんです。

岡田 あかねに関しては、あおい以上に田中さんの絵ありきでしたね。あるとき、田中さんが別の作品用に描いて、結局使わなかったキャラクターの絵を見せてもらう機会があって。それを見たとき「これじゃん!!」と思ったんです。すでにシナリオを書き出していたんだけど、その絵から触発されて変更したシーンも多いです。ちょっとした台詞とか、強がりの度合いとか。

田中 ボツキャラにならなくてよかった(笑)。初期段階の絵はもっと幼いイメージだったけど、岡田さんの描くあかね像や、吉岡里帆さんの声が乗ることで、劇的に印象が変わっていきましたね。それは今回のどのキャラクターについても言えることだけど、あかねもホワッとした天然っぽいキャラクターでいくのかと思いきや、ちゃんと大人としてレイヤーのあるキャラになって、どんどんイイ感じに磨かれていった。そもそも30代の大人をアニメ作品のメインキャラとして描く機会が、いまのアニメ界ではほとんどないですから。あかねと慎之介は描いていて本当に楽しかったですね。

岡田 30代の女の子って、アニメの場合は大人のお姉さんキャラとして配置されてしまいがちで。だけど自分自身の実感としても、30代って少女の頃とはタイプの違う葛藤がわんさと訪れて、心に動きのある時期なんですよね。思春期というわかりやすい葛藤のなかにいるあおいと、次の葛藤の時期にさしかかってきたあかねという、微妙な年齢を同時に迎えた姉妹を描いてみたいな、という思いはありました。そうやって姉妹のキャラクターを固めてから、しんの/慎之介を作っていった感じですね。

長井 しんのは最初、姉妹の物語を動かすための装置みたいなポジションだったんです。あおいだけにしか見えない“妖精”みたいな(笑)。そこから肉付けしていって、自分としては(『あの花』の)めんまとは違うものにしたいという思いもあり、慎之介という“本体”が同時に出てくるという展開もできていきました。

田中 しんのみたいに明るくてガンガン話を引っ張っていける主人公的な男の子って、この座組で描くのは初めてだよね。

岡田 いつもなら、こういうキャラクターをこの位置に据えようとは思わないけど、今回は慎之介という存在が同時にいたからこそ成立したのかなと思います。しんのはひたすらポジティブで力強いけど、彼のなかにある別の一面としての慎之介がいるから、前向きなセリフにも揺らぎが生まれてくる。逆に、慎之介がひそかに持ち続けている純粋な部分を体現するのが、しんのでもある。世代間のギャップだけではなく、2人分のキャラクターで1人の人間の幅みたいなものを描けたらいいなと思っていました。もうひとつ言うと、しんのも慎之介も持ちあわせている「変わらない」部分にこそ、あおいが惹かれてしまうというか。そういうところも描きたかったですね。

田中 結果的に、しんのは作品の清々しさみたいな部分を担うキャラになったよね。いいキャラができたと思ったぶん、どんな声なら成立するんだろう? という不安もあったけど、吉沢亮さんの声を聞いたときに「うぉ、しんのドンピシャじゃん!」と驚きました。

長井 しんの/慎之介役のオーディションにはいろんな方に参加してもらったんだけど、最悪の場合は「別々の声優に分けるか……」とも思ってたんです。吉沢さんに出会うまでは。

岡田 吉沢さんはしんのもいいんですが、慎之介がカッコよすぎるんですよ!歳を重ねるのも悪くないなと思わせてくれます(笑)。